描いた絵が売れない。絵やアート作品をギャラリーで売るための秘訣【ギャラリーカフェ カモメロースタリ東京】
- カモメロースタリ東京
- 3月17日
- 読了時間: 11分
更新日:3月27日

描いた絵が売れない。絵やアート作品をギャラリーで売るための秘訣
東京葛飾区亀有の『カモメロースタリ東京カフェ』には無料でアーティストの方にアート作品を展示して頂けるギャラリースペースがあります。
ギャラリースペースでは年間を通して数々のアーティストの作品展を行っており、運営する中でどのような絵が売れるのか少しずつ見えてきましたのでここに書きたいと思います。
少しでもアーティストの方の今後の活動の力になれればと思います。
ですがこれは作品の描き方やトレンドについてではありません。
美術的な技術についての秘訣ではありません。
あくまでもギャラリーカフェを運営している立場のお話しです。
ですが、絵を売るためのノウハウを記事にしているギャラリーはありませんので今回ブログにまとめました。
個人の感想ですがチェックして頂き、取り入れたいと思ったことは是非トライしてみてください。
尚、当ギャラリースペースの概要やご予約についてはホームページの『ギャラリー利用について』からご確認ください。
①展示を行う前からSNSに注力しているか
最初からかなり重要な要素になってきます。
作品を展示するにあたって『展示』の役割を考える必要があります。
大前提として展示は目的ではなく手段です。
展示を希望される方の中には展示することだけが目的になっている方が多くいます。
展示をして満足してしまうのは、展示をしていないことと同じになってしまいます。
他のアーティストと差をつけるためにもこの考え方は大事です。
作品を展示する→作品を広く知ってもらう ×
作品を展示する→ファンに来展してもらう ⚪︎
作品を展示したからといって不特定多数の方に作品を見ていただける訳ではありません。
ギャラリーに飾ればだれかが見てくれるは間違いです。
特に有料のギャラリーであれば尚更です。
『高いお金をかけて展示したけど、お客さんが思ったより来なかった』
『都内のおしゃれなギャラリーで展示したのに一枚も売れなかった』
こういった話しをよく聞きます。
ギャラリーカフェであればカフェ利用に来店したお客様が見てくれる場合はありますが、有料のギャラリーの場合、用事がなければその場所を訪れませんから、何もアクションを起こさなければ、見てくれるお客さんも必然的に減ってしまいます。
ギャラリー側も親切なところはある程度宣伝してくれますが、基本的には展示の集客に関してフォローしてくれるギャラリーは無いと考えましょう。あくまでも場所貸しです。
また、グループ展などは来場者は多い場合もありますが、他の出展者のご家族や、お友達なども多いため、純粋にあなたの絵を見たくて来展した方ではありません。
純粋にあなたの作品を見にくるお客様を増やす必要があります。
今現在まで当ギャラリーカフェで絵が売れた方の共通点は、
『SNSで日頃からファン(フォロワーさん)とコミュニケーションをとっている』です。
コミュニケーションと言っても、会話をするといったものでなくても、コメントに返信するなど簡単なものです。
それだけでもファンの方にとっては嬉しいものです。
フォロワーさんの多くはあなたの絵が好き、または興味があってフォローしてくださっています。
これは日本全国、広くは海外までファンを獲得することができる手段です。
日頃から活動を知っているアーティストの展示→実際の展示を見て作品が欲しくなる。
全く知らないアーティストの作品には例え気に入ったとしても、なかなか手が出ないものです。日頃の活動を通じて信頼と親近感が生まれ、購入に結びつきます。
ファンはあなたにとって掛け替えのない財産といえます。
作品を購入してくださり、SNSにも投稿してくれます。
そのSNSを見た、まだ知らない誰かがあなたのファンになってくれるかもしれません。
情報が広がることはファンが増えることに比例します。
アーティストの方の中にはSNSにあまり力を入れていない方も多いですが、絵を売るのであればファン獲得とコミュニケーションは大事です。
フォロワーさんはあなたの絵を知っている大切な存在です。
どんなに素晴らしい作品でも
『たまたま入ったギャラリーで見た絵が気に入ったから買う』
はなかなかハードルが高いのです。
『SNSでフォローしているアーティストが近くで展示をするから見に行ってみよう』
こちらの方が絵の購入につながる可能性が高く、近道です。
このため当ギャラリーでの展示条件はSNSのフォロワー数300人以上に設定しています。
これは最低限のフォロワー数です。
この数字では足りないというのが正直なところです。
フォロワー数が多ければそれだけ来展していただける可能性も増え、絵が売れる可能性も着実に比例して増えます。
SNSを活用していなければ、もったいないのでアカウントの作成をおすすめします。
また、インスタのアカウントは持っているけれど投稿をしばらくしていないアーティストの方も沢山いらっしゃいます。
その場合は、新しくアカウントを作り直すことをお勧めします。
インスタは普段『いいね』をしているアカウントの投稿を優先して表示します。
このため放置してしまったアカウントは投稿をしてもフォロワーのフィードに表示される順位が低いため投稿しても表示自体がされません。
例えばフォロワーが1000人いるフォロワーさんアカウントにあなたの投稿が表示される順番が500番目だったとしたらどうでしょう?
まず表示されることはないでしょう。
つまり投稿をしていないのと同じことになってしまいます。
インスタを毎日投稿した方が良い理由はここにあります。
アカウントを作り直してコンスタントに投稿し直した方がフォロワー獲得につながります。
毎日とは言わずとも3日に一回は継続して投稿したいところです。
※SNSを利用していなくても普段からコミュニケーション力の高い方は沢山の来展があるのも事実です。実際フォロワー数が100人前後でも数十人の来展があり購入に結びついたアーティスト様もいます。
逆に数千人のフォロワーがいてもコミュニケーションをとっていない場合、来展者数が1名というアーティスト様も過去にいました。
この場合はSNSでの告知を丁寧に行なっていなかった事が原因と考えられます。
②展示の告知は早めに定期的に行う
展示の日程は作品の制作日数にもよりますが、既存の作品を展示する場合でも、あまりタイトなスケジュールはお勧めできません。
これは展示開催の告知が十分に行えないためです。
展示の日程を決めるのはアーティストの方の都合ですが、大事なのは来展してくださるのはフォロワーさん、ご家族、ご友人ということです。
あまり急に展示をしてしまうと、SNSを利用しても展示開催の情報が行き届かない場合がありますし、お客様にも予定がありますから、スケジュール調整が難しく行きたくても来展できない事もあります。
連休などは、旅行や行楽など既に予定が決まっている事もあります。
気温(猛暑、酷寒)や天気(梅雨や台風)その辺りの見極めも重要です。
SNSでの告知は定期的に行い、展示の魅力を徐々に高めていきましょう。
また、ご友人には簡単な案内状をPDFや画像などを作成し、できれば展示を観にきていただけるようお願いしたいところです。
もしかしたらご友人のお友達やアートに興味のある知人も一緒に来てくれるかもしれませんし、SNSに展示の模様を投稿していただければ更に展示の情報が広がります。
展示開催のアナウンスが十分できるよう、余裕を持って日程を組むことは意外と大事です。
展示は出来れば定期的に行い、活動を知ってもらいましょう。
一回の展示で成果が出なかったとしても、三回目の来展では作品を買っていただけるかもしれません。
③作品を額に入れる場合はガラスカバーを外す
作品を額に入れて展示する場合、前面のガラスカバーを外すことをおすすめします。
これは会期中に展示の様子や作品を撮影した時に光の反射を抑えるためです。
ギャラリーの天井には無数のスポットライトがあります。
ガラスカバーがある状態で撮影するとどうしてもスポットライトの光や自然光が反射してしまい、作品がうまく撮影できません。
作品の良さが伝わらないものになってしまう事が多々ありますので、ガラスカバーは外すことをお勧めします。
もちろん作品が購入された場合はガラスカバーを付けてお渡しください。
④お客様が感想などを書き込めるノートとペンを用意する
ほとんどのアーティストの方が用意しています。
まだ用意した事がない場合は、お客様の感想をダイレクトに知る事ができますので、用意することをお勧めします。
ギャラリーをしていると意外にも初めて作品を見たお客様が書き込んでいただけることが多く、驚かされます。
また、お友達や知人などが来展した事がこのノートで知る事ができます。
来展者がアクションを起こすことは展示に自分も関わったと感じる貴重な体験です。
アーティストへの応援、親近感にも少なからず繋がると思います。
⑤名刺やカードを用意する
住所などは記載する必要はありませんが、アーティスト名とSNSなどのQRコードを記載してフォローしてもらいましょう。
展示した作品がプリントされたものはお持ち帰りいただける可能性が増えます。
⑥展示した作品の写真をSNSに投稿してもらえるようPOPを設置する
ギャラリーに来展したお客様は作品の写真を撮ってSNSに投稿するのはNGだと思っている事があります。
実際そのようなギャラリーも多くあります。
ですのでSNSに投稿する事がNGでない場合は、明確に伝える必要があります。
POPを設置し、親しみやすい簡潔な文章で投稿を促しましょう。
中には沢山フォロワーがいる方も投稿してくれるかもしれません。
※当ギャラリーの展示スペースにはPOP設置済みです。
⑦作品は販売する
展示した作品は販売が基本です。
アーティストの方の中には自信がないから今回は販売しないとおっしゃる方もいます。
ですが、自信がなかったとしても展示をする訳ですから、売れなかっとしても販売はした方が良いです。
当カフェでも販売していない作品について『この作品は購入できますか?』と聞かれた事が何度かあります。
作品の価値はお客様が決めます。
購入できることはお客様にとってギャラリーの楽しみの一つです。
基本的に販売は行うべきです。
⑧絵を部屋に飾った時のイメージを考える
当カフェで今まで展示をされた方を見ているとだいたい次の通りの仕様で作品を展示しています。
・額装して展示
・キャンバスのまま展示
・立体物になっており独自の形状の作品のまま展示
・インテリアとして使える小物に絵を入れて展示
どれが良いという訳ではありませんが、作品を購入する方は部屋に飾った時のサイズ感やどこに置くかを考えます。
ですので、絵を買ってもらうためには置いた時のイメージがつきやすいサイズ感と形状が大事です。
過去には購入したい作品が壁掛けのみの仕様だったため購入をあきらめた方もいらっしゃいました。作品のサイズにもよりますが、壁掛けと卓上の両方に対応していた方が親切かもしれません。
四番目にあげた『インテリアとして使える小物に絵を入れて展示』ですが、具体的にはひし形の真鍮の細い枠にガラスがはめ込まれた、吊り下げ式の押し花を挟むためのインテリア雑貨に絵を挟んで展示したものです。
もともとインテリア雑貨ですので部屋に飾られる事が前提になっていますから、飾った時のイメージがつきやすく、玄関でもリビングでも場所を選ばず飾りやすい仕様でした。
この作品は会期中に2名の方が同じ作品を購入したいと手をあげました。
インテリア雑貨+アートは相性も良く、飾ったイメージが湧きやすい。
このあたりも考えて独自の見せ方を検討してみるのも良いかもしれません。
⑨ギャラリーの下見をする
ギャラリーでの展示を決める前に、可能であればギャラリーの下見をしましょう。
ここではギャラリーの雰囲気が作品に合っているかを見ることも重要ですが、一番確認して欲しいのがスペースのサイズ感です。
具体的には作品を何枚展示するのが見え方が綺麗かを知ることです。
下見をせず展示当日を迎え、実際に展示してみたらギュウギュウだった。
逆にスカスカだった。
という事態は避けたいところです。
全体的な見え方は個々の作品の見え方にも影響します。
バランスは大事です。
例え展示可能な枚数であっても、全体を見た時に見え方に余裕がなくギュウギュウの場合は作品を1枚減らす事を考えましょう。
全体で見た時に一番ベストなサイズ、枚数を把握するためメジャーを持参しサイズを測ってみるのがおすすめです。
下見は写真では分かりにくいサイズ感を把握するのに有効です。
当ギャラリーカフェはカフェとして営業しておりますので、下見の場合は予約などの必要はありません。営業時間内に直接おいでください。
現時点でギャラリースペースを運営していて気がついたことは以上になります。
また新たな追加事項がありましたらこのブログに付け足したいと思います。
展示の参考になりましたら幸いです。
皆さんのアーティスト活動が成功しますよう応援しております!
描いた絵が売れない。絵やアート作品をギャラリーで売るための秘訣
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カモメロースタリ東京 カフェ
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